内容は、婚約者の父と面会することになったアンズウェルだったが、進められたウイスキーを飲んだ途端気分が悪くなり倒れてしまう。数十分後起き上がった彼が見たものは、婚約者の父の遺体だった。その部屋の窓にはシャッターと鍵、ドアにはボルトが書けられているいわば密室状態。彼は無実だが裁判に持ち込まれてしまう。その彼をいかにしてH・Mは救いだすのか。
面白かった。カーの密室作品の中でも名作と言われている作品なのだけれど、その名に間違いはなかったと言わずにいられない。
個人的に法廷ミステリが好きでないのだけれど、この作品ではすらすら読むことができた。法廷ミステリが好きでないのはわけのわからん無駄な議論ばっかりが続いて、それらの断片を拾って真実をつかむという工程が好きでないからだと思う。つまり、被告人が例えば無実だと確定しているのにそんなに有罪の立証をしようとしたって有罪になるわけじゃないんだから無駄じゃん、ということです。
この作品でもそのような過程を取るには取るのですが、被告人が無罪であるという前に密室の謎という大きな謎がそびえ立つという点で違ったのかもしれません。
犯人に関してはほとんど推理可能ですがその犯行方法――つまり密室の謎に関しては驚きました。シンプルな密室なのだけれど盲点をつかれる方法で、なぜそうなってしまったのかという点も推理可能で、さらに非常に密室のトリックが理解しやすいという作品。ごちゃごちゃしてしまう密室のトリックが整頓されてるので曖昧なところがありませんでした。
名作である所以もわかるとても面白い作品でした。
ただ、ケンがメアリーにYesかNoかきいてこいと頼まれたお使いの質問内容が結局何だったのか読了後に気づいた。何だったんだろう。
あと、大したことではないんだけど、カーのH・Mとフェル博士はどこか絶大的な安心感があるなーと思った。
次は、フィルポッツの闇からの声を読む予定。




